ドメインをよりよく知るための基礎知識

新ドメイン(新gTLD)とは

ドメインというと、「com」や「net」「jp」などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし近年、新gTLDと呼ばれるたくさんの新しいドメインが登場し、より用途に適したものが利用できるようになっています。では次々に登場する新ドメインには、どんなものがあるのでしょう。ここでは、一風変わった新ドメインを紹介するとともに、新ドメインを利用する上での注意点について考えてみることにしましょう。

どんな新ドメインがある?

国や地域に制限されることなく利用できるトップレベルドメイン(TLD)といえば「com」や「net」が思い当たるでしょう。もっともこれまでは、この2つくらいしか利用できるものがなく、独自ドメインを取得する人の中には、「どちらを選んでも同じ」と思っていた人が多かったに違いありません。

しかし現在、国や地域を問わず利用できるトップレベルドメインは急速に増えています。意味をより明確にしたトップレベルドメインが登場し、どんなサイトなのかをトップレベルドメインだけで言い表すことができるようになっています。新たに登場したトップレベルドメインはすでに700種を超え、種類は多様化しています。

例えば、お店を意味する「shop」。これまでショッピングサイトを表すドメインといえば、「○○shop.com」や「△△△-shop.net」などが使われていましたが、トップレベルドメインにshopが利用できるようになったことで、「○○.shop」や「△△△.shop」といった短いドメインを作成することが可能になりました。

また、地域を表すトップレベルドメインも増えています。有名なのが「tokyo」です。東京に関するサイトであることを訴求しやすくなり、サイトの特性をより強めるのに効果的です。名古屋を表す「nagoya」、沖縄を表す「okinawa」などもあり、地域密着のサイトを運営するのに適しています。

新ドメインのデメリットは?

サイトの魅力を引き出しやすい新ドメインですが、その一方でデメリットも考慮しなければなりません。

1つは信頼度です。まだドメインとしての認知度が低いので、あまり見慣れないトップレベルドメインは、ユーザーを不安がらせる要因となってしまいます。URLを見たときに見慣れないトップレベルドメインが含まれていると、「海外の怪しいサイトなのでは?」「危険なプログラムが勝手にダウンロードされてしまうのでは?」などと思ってしまう人がいるかもしれません。新ドメインが浸透するまでは、サイトの信用を損なうリスクがあることを踏まえておきましょう。

また新ドメインの中には、文字列が長い「management」や「restaurant」などのトップレベルドメインがあります。ドメインは短いものほど覚えやすいことから、長いトップレベルドメインはサイトのアクセス数が伸びない要因となるかもしれません。URLを直接入力するケースは少ないでしょうが、それでも口頭で伝えるのは面倒ですし、入力するのに手間がかかってしまいます。

新ドメインのデメリットは?

新ドメイン(新gTLD)への変更は得?

新ドメインが登場したことで企業などは、これまで以上に自社商品の特性を強調したサイトの広告宣伝が可能となります。個人においても、新ドメインを使ってどんなサイトなのかを簡単にアピールできるようになるかもしれません。

では、これまで利用してきたドメインから新たに取得した新ドメインへ変更した方がいいのでしょうか。長期的に見れば、ブランド力の強化、サイトの差異化が可能となるため、新ドメインへ変更することによる効果は見込めるかもしれません。しかし、浸透していないトップレベルドメインを含んだドメインは、検索結果の上位に表示されにくくなるので、注意が必要です。

サイトの特性を強く打ち出せる新ドメイン。ドメインとしてもインパクトは絶大ですが、馴染みが薄いだけにリスクが伴うことも加味して、取得するかどうかを検討するのが望ましいでしょう。