ドメインをよりよく知るための基礎知識

ドメイン移管とDNSの変更について

料金やサービス内容などの違いに気づき、ドメインを取得・管理する事業者を変えたいと思うこともあるでしょう。そんなときは取得したドメインを引き継いだまま、新たな事業者へ“引っ越し”することが可能です。ここでは、ドメインの管理を別の事業者に移す「ドメイン移管」と、その際に必要となる「DNSの変更」について解説します。

ドメイン移管に伴うDNSの変更

「ドメイン移管」とは、これまで利用してきた管理事業者を別の事業者に変更することを言います。取得したドメインをそのまま引き継ぐことができるので、サイトやブログのURLが変わってしまうことはありません。管理費用やサービスなど、希望の条件に合った事業者を選択できます。

その際、ドメイン移管するときにDNS変更が必要になる場合があります。現在のDNSがドメインとセットで契約されているものの場合には、新しいDNSを移管先で新たに契約し、ドメインと同様に移管(変更)する必要があります。

ただし、レンタルサーバーとのセットでDNSを契約している場合は、ドメインを変えても、以前からのDNSと紐付けて利用できますので、サーバーを移設しないのであればDNSの移管(変更)は不要です。

DNSの契約

ドメインを移管すると、それまでの設定内容をそのまま使うことができなくなり、ドメインの移管先事業者からDNSの変更を求められることがあります。

DNSの移管が必要な場合は、ドメインの移管先事業者が提供するDNSサービスを契約しましょう。移管先事業者がDNSサービスを提供していない場合は、レンタルサーバー事業者で契約します。たいていのドメイン事業者またはレンタルサーバー事業者はDNSサービスをオプションなどで提供しています。
もし、ドメイン事業者にもレンタルサーバー事業者にもDNSサービスがない場合は、単独のDNSサービスをインターネットなどで探して契約してください。契約先が分かれるため管理は面倒になりますが、それを契約しましょう。

用途に合ったDNSサービスの選択を

DNSサービスによって、記述・編集できるレコードのタイプには違いがあります。現在のDNSサービスで登録しているレコードのタイプが、移管先の新たなDNSサービスでサポートされるタイプかどうか確認してから、DNSサービスを契約しましょう。

独自ドメインでWebサーバーやメールサーバーを運用する場合、レコードの記述や編集が行えると、以下に示すようないろいろなことが可能になります。

たとえば、Aというレコードでは、IPアドレスを指定することができます。
CNAMEは、別名を指定できるレコードで、別サイトへの転送ができるようになります。
MXはメールサーバーを指定するレコードで、優先度を決めてのメール配信ができ、メールの紛失を防ぐのに役立てることができます。
SPFという送信ドメイン認証に対応したレコードを活用すれば、なりすましでのメール送信を防ぐことができます。
PTRという逆引き用のレコードからは、IPアドレスからドメイン名を調べられるので、Webサーバのログを解析して、アクセス元がわかります。このほかにも、さまざまなレコードがあります。

DNSサービスは、どこでも同じなのではなく、編集できるレコードが違えば、提供できるサービスも異なります。従来からのサービスを継続できないことがないよう、レコードにはさまざまなタイプがあると知り、その点をふまえて安心して移管できるDNSサービスを探してください。