ドメインをよりよく知るための基礎知識

独自ドメインのメールアドレス利用方法

独自ドメインのメールアドレスを利用するためにはどんな手続きが必要になるのでしょうか。@(アットマーク)の後に、独自ドメイン(○○○.comなど)が入っているメールアドレスを作り、利用するための手順についてご説明します。

ドメインの取得、ドメインネームサーバーの設定完了を確認

独自ドメインのメールアドレスを使いたい場合、まずは独自ドメインの取得、レンタルサーバー(メールサーバー)の契約、ドメインネームサーバーの設定が必要になります。まずはこの作業が完了しているかどうかを確認しましょう。

ドメインとサーバーが設定できたら、次にメールアドレスの設定に移ります。レンタルサーバーをお使いの場合、事業者によって「利用できるメールアドレスのアカウント数は10個まで」などと制限されている場合があります。昨今では、無制限のメールアカウントが作成できる事業者も珍しくありません。利用できるアカウント数を確認しましょう。利用目的に合わせて、@の前の部分(アカウント名、ローカルパート名、メールボックス名などと呼ばれます)の命名を行います。

企業が最低限用意しておきたいメールアカウント

気をつけたいのが、企業で独自ドメインのメールアドレスを設定する場合に設定しておくべきアカウント名があるという点です。これは、インターネットでのルールのひとつとして、RFC2142という文書によって定義されています。RFCはIETFという団体が取りまとめている文書で、インターネットの各種プロトコルや関連事項を定義しています。RFC2142での取り決めは、「義務ではないものの、なるべくなら設定しておくといい」という性質のものです。企業では次のようなアカウント名をメール設定しておくことが推奨されています。

・info
マーケティング分野を扱うアカウントです。組織、製品、サービスに関する様々な情報を送受信します。
・marketing
マーケティング分野を扱うアカウントです。製品、サービスに関する広告・宣伝・マーケティングに関する情報を送受信します。
・sales
セールス分野を扱うアカウントです。製品、サービス購入に関する情報を送受信します。
・support
顧客サービス分野を扱うアカウントです。製品、サービスに関するお問い合わせに対応します。
・webmaster
Webサイトに関するお問い合わせに対応します。
・www
webmasterの別名アカウントです。
・postmaster
メールに関するお問い合わせに対応します。

上記のアカウント名を作成したら、場合によっては担当部署や担当者を割り振り、目的に沿って運用できる体制を整えます。
なお、上記のアカウント名は多くの企業や組織によって用意されているものであり、この点が悪用されてスパムメールの標的となることが予想されます。大量のスパムメールが届くことを想定し、迷惑メールフィルタリングを用意するなど、対策を講じましょう。

作成するアカウント名とパスワードを揃える

前項で説明した標準のアカウント名の他に、社員用や部署用にメールアドレスが必要な場合は、アカウント名とそれに対応するパスワードを用意しましょう。パスワードに関しては推測できるようなものは避け、定期的に変更するのが理想です。企業で使用する場合は、2ヵ月に1度はパスワードを変更するなど、メールパスワードの運用ルールも決めておくといいでしょう。安易なパスワードを利用していると、なりすましなどのトラブルにつながりかねません。アカウント名とパスワードを記入したファイルを保管する際には、セキュリティにも十分気をつけましょう。

管理画面からメールアドレスを作成

アカウント名とパスワードを作成したら、次は利用しているサーバーの管理画面からメールアドレスを作成します。「メールアカウントの追加」などのメニューから、アカウント名とパスワードを入れて設定を行います。その後、各自が利用しているメールソフトでアカウント追加を行い、送受信テストをしましょう。ポート名や暗号化などメールソフトでの設定方法は、サービス事業者によって異なります。また、Webメール(ブラウザ上でメールの送受信をするサービス)が使える場合もあるので、ブラウザからメールの送受信を行いたい場合は既定のURLからログインして、メールアドレスを使用します。

セキュリティ対策や転送・自動返信について

サーバー事業者によっては、メールのウイルスチェックや、転送サービス、自動返信サービス、メーリングリストなどの機能も使えることがあります。「注文メールに対して、自動的にサンキューメールを送りたい」という場合は、自動返信サービスで実現できます。「大事なお客さまからのメールを、プライベートのメールアドレスに転送したい」という場合は転送サービスを利用します。事業者によって1つのメールアカウントに対し、転送先は10件までといった規定があります。「チームでメールを共有したい」といった場合には、メーリングリスト機能が便利です。登録メンバー全員でメールの送受信ができ、情報共有ができます。このようにメール機能にも様々なものがあるので、希望のサービスが備わっているサーバーを選びましょう。