ドメインをよりよく知るための基礎知識

ドメイン移管の注意点

ドメインを移管したいと思った場合、実はどんなドメインでも移管できるわけではありません。ドメインの種類によっては管理している業者が限られているケースもあるのです。
今回は、ドメイン移管の際にはどんな点に注意したらよいのか解説してみることにしましょう。

DNSサーバーの設定を引き継げるか確認を

ドメインを移管するとき、一般的にはこれまでの環境をすべて新たな事業者へと引き継ぐことができます。ドメインが使えなくなった、これまで使用してきた各種サーバーにアクセスできなくなったといった不具合は起こりません。しかし中には、こうした環境を引き継げなくなるケースがあります。

その1つが、DNSサーバーの設定を引き継げずに無効となってしまうケースです。これまでの事業者で使っていたDNSサーバーの設定情報を引き継げないと、移管後の事業者では各種サーバーにアクセスできなくなってしまいます。

これまで設定していたDNSサーバーの情報を、移管後も有効にできるかどうかを確認しておくことが必要です。これまで利用してきた事業者に対し、DNSサーバーの設定情報を引き継げるかどうかを確認するようにしましょう。

ドメインの利用期間を考慮しよう

ある事業者にドメイン取得を依頼した場合、ドメインが登録されてから一定の期間以内はドメインを移管できないよう定めている事業者が大半です。ドメインの取得だけ依頼し、その後の管理は他事業者にといった行為を防ぐのが主な目的です。

ドメインの種類により異なりますが、一般的には、移管元となるドメイン登録事業者にて登録を完了してから60日以内には移管できなくなっています。事業者のサービスがよくないからと、次々に事業者を替えるといったことは必ずしもできません。「ドメイン取得なんてどの事業者でも同じ」と考えず、事業者がどんなサービスを用意しているのか、どのような対応をしているのかなどを十分吟味した上で、事業者を選定することが大切です。

また、中にはドメインの移管を認めていないという事業者もあります。いずれはドメインを移管したいと考えているなら、あらかじめ取得の時にドメインを移管できるか確認しておく必要もあるでしょう。

ドメインを移管できないケースはほかにもあります。例えば、ドメインの期限が切れているものについては、移管することができません。また、あと数日で期限が切れてしまうという場合も、移管できないことがあります。移管するには一定期間を要するため、その期間中に期限が切れてしまうことを防ぐためです。

ドメインの利用期間を考慮しよう

移管元と移管先の確認を

移管できるドメインを制限している事業者が大半です。移管できるドメインは「.com」や「.net」などの一部に限り、利用頻度の低い文字列を含んだドメインは受け付けないという事業者があります。まずは現在使用しているドメインを移管できるかどうかを事業者に確認するようにしましょう。

また、特定のドメインを移管する場合、ドメインを利用するためのパスワードである「認証鍵」(またはAuthCode、AuthInfo)を求められるケースがあります。認証鍵がないと、移管後にドメインを継続して利用することができません。移管元となる事業者から事前に認証鍵を受け取っておく、もしくは認証鍵を使ってドメインのロックを解除しておくなどの措置が必要になる場合があります。

なお、事業者は専用サイトやサポートセンターなどを通じて認証鍵を交付しています。ドメインのロックを解除する方法もWebサイト経由で実施できるケースが大半です。認証鍵をどのように受け取るのか、自分でロックを解除するのか、あるいは事業者に依頼するのかを含めて確認するようにしましょう。