ドメインをよりよく知るための基礎知識

ドメイン移管の流れ

ドメインの管理を委託する事業者を、別の事業者に変更することを「ドメイン移管」と呼びます。最低限の移管の知識を押さえておくために、ドメインを移管するときに必要なことや、どのような流れで移管するのかなどを説明します。

移管申請の前に

移管方法や手続きは各事業者により異なるので、まずは移管先となる新しい事業者のWebサイトなどから移管方法を確認しましょう。事業者により手順が異なることがありますが、ここでは一般的な流れを説明します。

最初に移管対象のドメインが、移管できるのかを確認します。JPドメイン以外の場合、登録してからの日数が60日未満のドメインや移管のロックがかかっているドメインは移管することができません。まずはWhoisでドメインの現在の状態を確認します。Whois検索の結果で登録日(Creation Date)が移管申請より60日未満であれば移管できません。この場合は60日経過するのを待ってから移管申請を開始してください。次にステータスが移管禁止(clientTransferProhibited)となっているものは移管申請できません。この場合は現在の事業者へ移管のロック解除をしてもらうよう(Whoisのステータスがokとなるよう)依頼しましょう。

またこれもJPドメイン以外のみとなりますが、移管申請にはAuth Codeという認証コードが必要になりますので、移管ロックの解除とともに現在の事業者に依頼し入手しましょう。加えてWhoisのコンタクト情報(具体的にはAdminコンタクトのメールアドレス)が有効な情報であることを確認しましょう。後の移管手続きの際にWhoisコンタクトアドレス宛にメールが届き承認手続きを行いますので、必ず有効なメールアドレスにあらかじめ変更しておいてください。

次に有効期限が間近なドメインは移管できません。これは現在の事業者と新しい事業者それぞれに移管申請に必要な猶予日数が設定されているので両社へ確認しましょう。

移管申請の前に

移管申請

移管の事前準備と必要事項の確認を終えてドメインが移管できる状態になったら、現在の事業者から入手したAuth Codeを用意し、新たな管理先となる事業者に移管申請します。移管申請は事業者のWebサイトから行えます。申請すると新事業者から移管の承認依頼メールが届き、案内されている手続きのとおり承認作業を行います。
その後、新事業者が現事業者にドメイン移管の旨を連絡します。現事業者は、ドメイン管理者に対して移管の意思を確認するメールを送信し、ドメイン管理者がこれを承認することで、新事業者へのドメイン移管が承認され、移管完了となります。

ドメインの移管は一般的には2週間程度で完了します。しかし、事業者やドメインの種類によって手続きやルールが異なるため、新事業者・現事業者両社に移管で入るときの流れと移管で出るときの流れをよく確認してから申請開始されると、手戻りなど無くスムーズに移管できるでしょう。

サーバー移管も視野に

ドメインの管理を別事業者に切り替える際、サーバーの移行を検討するケースも少なくありません。管理や保守の費用、サービスを比較検討するのはもちろんですが、サーバー移管にはどれくらいの期間を要するのか、移管費用はいくらかといった情報も事前に収集しておきます。

サーバー移管の流れは、ドメイン移管よりも比較的容易です。新規サーバーの利用を申し込めば、数時間から数日程度でサーバーを利用できるようになります。

ただし、これまでのWebサイトのデータをアップロードしたり、各種設定を引き継がせたりするのに時間がかかることを想定し、ゆとりをもってサーバー移管を進めるようにします。ポイントとしては、ドメイン移管より先にサーバーを申し込んでおき、各種設定を済ませてドメインを受け入れるだけの体制にしておくことです。

「ドメインの更新が近づいているから、急いでドメインを移管したい」と、あわてて移管作業を進めようとしても、手続きに時間がかかったり、移管できなかったりすることもあります。そうしたタイミングの悪さから、結果的に「旧事業者と新事業者の両方に更新費用を支払うことになってしまった」ということもあります。スケジュールに余裕を持ち、事前に移管の流れや事業者毎のルールをしっかり確認し、ドメインやサーバーの移管を進めるようにしましょう。