ドメインをよりよく知るための基礎知識

サブドメインのメリットデメリット

ドメイン管理コストや手間を省きたい場合やメインサイトとは独立させた運用を想定している場合には、サブドメインを利用すると便利です。しかし、サブドメインでの運用はSEOの評価において不利になるケースがあります。こういった点も含めて、サブドメインのメリットデメリットについて詳しく見ていきましょう。サブドメイン、独自ドメイン(マルチドメイン)、サブディレクトリの運用の違いについてもご説明します。

サブドメインのメリット

独自ドメインを1つ取得しておけば、複数のサブドメインを安価で利用することができます。レンタルサーバー事業者によって、利用できるサブドメインの数や料金は異なりますが、独自ドメインをいくつも取得するよりはコストを抑えられるでしょう。
メインサイトの内容に対して、より専門的な内容を網羅するサテライトサイトを複数運用する場合などには、サブドメインが有効です。新規にドメインを取得するより手間がかからない点もメリット。独自ドメインの内容とテーマが異なるWebサイトを立ち上げる時や、独自ドメインとは切り離して新しいWebサイトを運用したい場合は、サブドメインを選ぶといいでしょう。
また、親ドメインを管理するドメインネームサーバーに負荷がかかりすぎている場合、サブドメインを別の環境で管理することにより負荷を分散できます。人的リソースの問題からドメインネームサーバーの管理業務を分散させたい時にも有効です。

サブドメインのデメリット

手間なく、低コストで利用できるサブドメインですが、SEOの評価(検索エンジンの結果ページでの表示順位)の面で不利になることがあります。独自ドメインで長期間運用してきたWebサイトがあり、検索結果ページの上位に掲載されることがある場合、そのドメインは検索エンジンから評価を得ていると考えられます。このプラスの評価がサブドメインに反映されないことがあり、この点はデメリットの1つです。これはサブドメインそれぞれが別々の「独立したサイト」ととらえられ、各々で異なる評価を得ていくためです。
一方、元ドメインや並列している他のサブドメインでSEOペナルティー(検索エンジンから「不正なSEO対策をしている」と判断されて、表示順位が大幅に下げられるといった罰則を受ける事)が生じた場合、サブドメインにも影響が及ぶ可能性があります。また、サブドメインでのペナルティーは元ドメインにも波及することがありますので注意しましょう。

サブドメインと、新規ドメインの比較

現在運用している独自ドメインと異なるテーマのWebサイトを立ち上げたい場合、サブドメインで運用する方法と新規にドメインを取得する方法のどちらを選べばいいのでしょう。コストを抑えたい場合には、サブドメインがおすすめです。コストや手間がかかってもいい場合には、新規にドメインを取得するといいでしょう。いずれの場合もSEOの評価を一から積み上げていく必要があります。
企業や組織によって、「事業ごとに別の新規ドメインを持って、独立させて使いたい」「取り扱う分野が補完的なので、メインサイトを中心に据えてサブドメインで運用したい」など、様々なニーズが考えられます。年月を重ねるうちにWebサイトの運用が複雑化していくことも多いので、将来的なビジョンも見据えてルール作りをし、それぞれに合った方法を選択してください。

サブドメインと、サブディレクトリの比較

サブディレクトリとは、「○○○.com/△△△/」の△△△というように表される、元ドメインの中にあるディレクトリ(フォルダ)のことです。そのディレクトリの中で新しいWebページ群を作成し運用していく方法もあります。サブディレクトリでの運用は、面倒な設定が不要でコストもかからないのが特長です。
サブディレクトリは、元ドメイン「○○○.com」のSEO評価をある程度引き継ぐとされています。元ドメインを取得してから長い期間が経過していて、検索エンジンで上位表示されるWebサイトに育っているのであれば、「ドメインパワーがある」と考えられます。ドメインパワーを蓄え続けてきたメインサイトがすでにあるなら、新しいドメインやサブドメインでWebサイトを立ち上げるよりサブディレクトリでページ作成し運用するのがおすすめです。

マルチドメイン、サブドメイン、サブディレクトリのどれを選ぶか

新規取得ドメイン、サブドメイン、サブディレクトリのどれを選べばいいのかは、結局のところケースバイケースです。サーバーの状態やビジネスの形態に合わせ、それぞれに合った方法を選択しましょう。
また、ブランディングの観点から「新規取得ドメイン運用で、別ブランドとして認知を図る」「サブドメイン運用でそれぞれ独立したドメインパワーを積み上げる」「サブディレクトリ運用で相乗効果を狙う」といったように、目的に沿って運用方法を選ぶのも一案です。競合他社のWebサイトの構成をチェックして参考にするのもいいでしょう。