ドメインをよりよく知るための基礎知識

国別トップレベルドメインccTLD

国や地域などのエリア別に割り当てられたトップレベルドメインを「ccTLD」(country code Top Level Domain)と呼び、日本に住む人が利用できるccTLDは「jp」になります。では他の国や地域のccTLDを取得することはできないのでしょうか。ここでは、ccTLDの基本的なルールと現状について解説します。

地域別に割り当てられたccTLD

ccTLDは国や地域などに割り当てられているトップレベルドメインです。現在のところ200以上のccTLDが指定されており、文字列はISO 3166規格に記されている国コードに基づいています。すべてのccTLDが原則2文字で構成されています。

例えば、mx(メキシコ)、py(パラグアイ)、fk(フォークランド諸島)といった具合に決められており、WebサイトのURL欄のトップレベルドメインに「mx」と記されていたら、メキシコのWebサイトだとすぐに分かるわけです。

これらのccTLDを取得する場合、その国や地域に在住している人に限られるため、日本に住んでいる人がメキシコやパラグアイなどのccTLDを取得/利用することは原則できません。

ただし、これから海外進出して現地法人を構えて、特定の国向けのWebサイトを立ち上げたいといった場合には、その国に住んでいなくても一定の条件を満たせば日本人が他国のccTLDを取得し利用することが可能な場合もあります。

国ごとに利用状況に差異が

各国や地域に割り当てられているccTLDですが、利用状況には大きな差異があります。人口の多い国のccTLDは利用される割合が高く、中国、インドなどでは多くのドメインが取得・利用されています。その他にはアメリカや欧州、日本などの先進国でもccTLDが利用される割合は大きいです。

その半面、人口が少ない国や、インターネット後進国ではドメインの取得/利用率は少ない傾向にあります。

ドメイン取得にかかるコストにも差異がみられ、1年間の利用料が数千円で済むccTLDもあれば10万円を超えるccTLDもあり、料金は大きく偏っています。

ドメインの取得や管理を代行する事業者のWebサイトの中には、取得可能なccTLDと利用料金などが記されているものがありますが、もし日本以外のccTLD取得を検討しているなら、その地域のccTLDをいくらで取得できるかを事前に確認しておくとよいでしょう。

国ごとに利用状況に差異が

誰でも取得できるccTLD

国や地域に在住する人や団体でなければ取得できないccTLDですが、中にはお金さえ払えば誰でも取得することができるものもあります。

例えば、島国であるツバルは、自国に割り当てられたドメイン「tv」を米国の民間会社に売却してしまいました。トンガも自国のccTLD「to」を一般向けに販売しており、特段の条件がなく、お金さえ払えば誰でもドメインを取得できるようにしています。

このように「.com」や「.net」などの世界中の誰でも取得・利用できるgTLD(generic Top Level Domain)と違って、国や地域の特性を打ち出したドメインとして定着しているccTLDもあれば、一部の国においては外貨を稼ぐ手段として活用されているccTLDもあります。